MATERNITY
マイナス1歳からの
マタニティ歯科
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生まれてくる赤ちゃんの
ための「マイナス1歳
からの虫歯予防」
生まれたばかりの赤ちゃんの口内環境はきれいですが、成長とともにいろいろな菌が口の中に入ってきます。虫歯や歯周病の菌もそのひとつです。赤ちゃんとの生活が始まる前に、お母さんをはじめとする家族が虫歯・歯肉炎を改善し、口の中をきれいな状態で維持しておくことは、お子さんの虫歯や歯周病の感染を防ぐために効果が高いと考えられます。
お口が育つのはお腹の中にいるときから
胎内にいるときから、胎児はお口周りの機能が成長していきます。妊婦さんの姿勢が良く、胎児が自然とCカーブをとれる状態だと、胎内で顎を引いて手足を曲げた姿勢になるので、鼻呼吸をしやすい、羊水を飲むことができるなど、哺乳や嚥下の発達につながるといわれています。
授乳はお口育ての基本、
「正しい哺乳=ラッチオン」が
口呼吸を予防します
授乳の際に、赤ちゃんが正しい体勢で乳首に深くしっかり吸いついている状態のことを「ラッチオン」といいます。ラッチオンができている状態の哺乳であれば、赤ちゃんは自分の口の力を最大限に使えます。舌を使って飲むだけでなく、口を閉じたり食べるための筋肉も発達し、顎骨の発達も促されます。「口を閉じる(口唇閉鎖)」機能は、この授乳期・離乳期に獲得するものです。また、顎骨の発達は、将来の不正咬合を防ぐことにつながっていきます。授乳には、お腹を満たす以外に「赤ちゃんのお口の機能の基礎を育てる」という重要な役割があります。
お口を育てる離乳食
離乳食の進め方では月齢からの判断ではなく、お子さんの体とお口の発達を重視します。
子どもが自分で口を動かして食べることが大切です。自分で上唇を下ろして口を閉じられるか、よく噛んで飲み込めるかなど、口のようすを確認しながら、量を調整して進めましょう。食べるときは、足の裏を着けると姿勢が良くなり、体幹や頭も安定してしっかり噛むことができます。口を動かすことで、子どもは食べることを学習し、お口周りの機能を獲得していきます。
歯並びは赤ちゃんの時に決まる?
上顎は生まれてから3ヵ月頃までの間が最も成長するといわれています。そのため、口を育てる観点から、歯が生える前のラッチオンや離乳食が着目されます。上顎は下顎よりも先に成長をはじめ、5歳頃をピークに少しずつ成長を続けます。下顎の成長のピークは13歳頃です。
3歳頃には乳歯が20本そろう状態になり、0~5歳頃の成長期間で子どもの歯並びはある程度決まります。永久歯がきれいに生えてくる土台となるためにも、食べ物を前歯で噛み切る、飲み込む、鼻呼吸をするといったお口周りの機能を成長期間に発達させることが大切です。
全身でお口を育てましょう
筋肉を覆う筋膜は、口・舌から足まで全身につながっています。そのため、もし悪い姿勢が定着してしまったら、どのようなことが起こるでしょうか?
まず、体がバランスをとろうとして少しずつ無理な体勢になり、体がゆがんでしまいます。それだけでなくお口周りもゆがんで、筋肉のバランスの崩れや顎の位置のずれなどを引き起こし、歯並びも悪くなります。それらが頭の重心のずれにつながり、さらに姿勢を悪くするという悪循環につながるのです。
しかし、足元がしっかりしていれば、筋肉が無駄な力を使わずに立つことができます。
当院では、0歳から抱っこの仕方・寝かせ方・授乳方法・靴や靴下などに配慮することで、筋肉や筋膜のよじれが出ないよう、全身の姿勢を意識してお口を育てていくことができます。ご家族の方とご一緒にお子さんの姿勢を改善し、健康づくりに取り組んでまいりますので、少しでも不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。
妊娠中の口腔ケア
出産後はお子さんにかかりっきりになるため、しばらく歯科医院でケアを受ける時間を確保することは難しいと思われます。また、妊娠中や出産後のホルモンバランスの変化で、お口の中にトラブルが起こりがちです。
生まれてくるお子さんの健康のためにも、出産前(妊娠後期)までに歯石の除去、歯肉炎・虫歯の治療を受けておくことが大切です。
妊娠中はホルモンバランスが崩れ歯周炎になりやすくなります
妊娠中は、女性ホルモンの分泌量の変化で唾液が減少し、歯肉炎や歯周病になりやすい状態です。妊娠中の歯周病は妊娠性歯周炎とよばれ、炎症により産出される物質が歯肉の血管から入ると、陣痛をうながし早産・低体重児出産のリスクを高める可能性があります。安定期に入ったら、歯周病の原因となる歯垢や歯石を定期的なクリーニングで除去しましょう。
生まれてくる赤ちゃんのために気をつけたいこと
- お母さん自身のお口の中をきれいにしておき、虫歯や歯周病のない状態を維持する。
- 妊娠安定期(5~8ヵ月)に歯周病・虫歯治療を受けておく。
- 妊娠中は可能な範囲で、歯科医院で定期的な予防ケアを受ける。
- つわりがひどく歯磨きができないときは、うがいだけでもしてお口の中の汚れを減らす。
- 妊娠中は胎児の体勢を意識して、姿勢良く過ごす。
- 妊娠中はバランスのとれた食事で、必要な栄養素をまんべんなく摂取する。
- 授乳中から口育を意識し、ラッチオンできているかなどお子さんの口元を観察する。
- お子さんに指しゃぶりや噛み癖、口呼吸が見られる場合は、放置せず歯科医師に早めの相談をする。
- 虫歯や歯周病がお子さんに感染しないよう、ご家族も治療・検診を受けてお口の中をきれいにしておく。
- 歯の本数と食事回数も増える1歳半~3歳頃のお子さんには、虫歯の感染リスクを特に意識する。
- お菓子ではなくキシリトールなどをあたえ、お子さんの虫歯予防を行なう。
- 歯が生えてきたらお子さんの仕上げ磨きをしっかりと行ない、歯磨きを習慣化していく。
リスク・副作用
マタニティ歯科にともなう一般的なリスク・副作用
・自費診療(保険適用外)となることがあります。その場合は、保険診療よりも高額になります。
・母子手帳を持参し、ご自身が妊娠中であることを伝えていただくとスムーズです。
・治療内容によっては、同じ姿勢を取り続けることがあり、お体やお腹の赤ちゃんにとって負担となるため、仰向けがつらくなりましたらお知らせください。
・妊娠初期は悪阻(つわり)により、お口に治療器具が入ることで吐き気をもよおす場合があります。妊娠後期はお腹がかなり大きく、治療のための姿勢の維持が難しくなるため、母子ともに状態が安定している妊娠中期の通院をおすすめします。