ORAL-DEVELOPMENT

0歳からのお口育て
(口腔育成)

0歳から始める、
これからの「口育」

0歳から始める、これからの「口育」

口育(こういく)は、0歳の歯が生える前から口周りの筋肉の発達をサポートし、口腔機能発達不全症を防止するための機能予防管理術です。口の機能の正常な発達をうながし、食べる・話す・呼吸する機能が生涯を通じて維持できるような発育を目指します。

お口周りの発逹が不十分な場合、歯並びや顎の成長に影響するだけでなく、口呼吸や発音障害、睡眠障害、摂食機能低下のリスクも生じます。老年期では口腔機能がより低下し、早期の摂食・嚥下障害になりやすく、最終的に胃ろうとなるケースもあります。そのため、お口からお子さんの全身の発達を見ていく口育を新生児期から始めることは、正常で健康な心身の発達につながります。

ひろこ小児・矯正歯科には口育士が在籍していますので、哺乳の仕方、指しゃぶり・おしゃぶり、離乳食のあたえ方、ストローの使用などについて、新生児期から発達をサポートします。

口呼吸が気になる、おしゃぶりが多い、歯並びが悪い…など、お子さんのお口周りの機能に対するお悩みや不安をお気軽にご相談ください。

口腔機能の低下

トレーニングをサポートする「日本口育協会口育士」とは

トレーニングをサポートする「日本口育協会口育士」とは

口育は、予防矯正治療として行なっています。日本口育協会にて資格制度が設けられ、口育についてのじゅうぶんな知識を持つ者が口育士として認定されます。

咀嚼・嚥下機能や構音機能の発達が不十分もしくは正常に獲得できてない18歳未満の子どもに対して、医学管理を行なうことができるようになりました。検査では、舌の突出や歯の生え方の遅さ、口の閉じられ方、口唇を噛む癖、指しゃぶりなどの項目があります。お口周りの機能の発達を検査し、歯並びや噛み合わせの異常、舌の位置、舌小帯の異常などが認められて口腔機能発達不全症と診断された場合には、適切なトレーニングと指導を保険診療で受けられます。

当院は口育士が在籍しており、院内でお口の機能を確認し、日常生活でお子さんが楽しくできるトレーニング方法や食事の指導をしています。生涯を通じて、満足に食べたり笑ったりできるように、お子さんのお口周りの発達をサポートしていきます。

日本口育協会

口腔機能発達不全症って
知っていますか?

あきらかな原因となる疾患をもたない健常な子どもが、食べる・話す・呼吸するなどの機能がじゅうぶんに発達していない、もしくは正常な機能を獲得できていないと診断され、専門的な支援が必要な状態にある症状です。

口腔機能発達不全症の診断について

診断の対象になるのは、18歳未満の子どもです。最初に問診票に記入いただき、記入内容をもとに詳しくお話を伺います。
お子さん自身には、口腔機能発達不全症についての自覚はあまりなく、本人は症状を認識していないともいわれています。咀嚼機能や嚥下機能ほかのチェック項目に、あてはまるか確認してみてください。

チェック項目に3つ以上あてはまる場合は、口腔機能発達不全症の対象となる可能性がありますので、ご相談ください。

このような症状、ありませんか?

  • 歯並びが悪い
  • 発音が不明瞭
  • 朝に喉が痛い
  • 口内炎ができやすい
  • 顎の下にしわがよる
  • ポカンとお口が開いている
  • くちゃくちゃ音をたてて食べる
  • 姿勢が悪い
  • 左右いずれか片方で噛む
  • 早食いをする

お子さんは「口呼吸」を
していませんか?

お子さんは「口呼吸」をしていませんか?

鼻はつまっていないのに口で息をしている口呼吸の状態は、呼吸がしにくい可能性があります。口呼吸は歯並びや虫歯に悪影響を与えますが、以下のような全身の健康にかかわる問題を起こす場合もあります。「口呼吸」を「鼻呼吸」に回復させることにより、健康な生活へつながることが期待できます。

  • 風邪などをひきやすい感染しやすい体質になる
  • 口渇(唾液の減少)による免疫能力の低下
  • 口腔乾燥による虫歯・歯肉炎の発症
  • 扁桃が乾燥して腫れやすくなるため免疫能力の低下
  • 脳が冷えない(鼻呼吸による副鼻腔が冷えない)ため集中力が低下する⇒記憶力、学力への悪影響
  • 睡眠時の無理な呼吸による睡眠障害、体力の消耗

歯並びに大きく影響する「舌」の位置

歯並びに大きく影響する「舌」の位置

骨格や顔つきのように、歯並びにも遺伝が関係していると思われがちですが、歯並びの原因では、環境による原因が8割で、遺伝による原因は2割程度といわれています。

歯が並ぶ位置は、舌が内側から押す力と頬や唇が外側から押す力のバランスがとれた場所です。とくに舌の動きに歯並びは大きく左右されます。

舌が正常に機能していない要因のひとつに、鼻を使った呼吸が苦しいので、口で呼吸をしていることがあげられます。そのため、呼吸と咀嚼・嚥下を同時に行なおうとすると、飲食のたびに不適切な場所を舌が押してしまいます。舌が正常な位置に動かないので口の内側と外側で押している力のバランスがくずれ、結果として歯並びにすき間ができたり、噛み合わせが悪くなるなどの影響が考えられます。

これらを口腔筋機能療法(MFT)でトレーニングをして、機能の改善をしていく必要があります。

口腔機能発達不全症の
改善トレーニング
「口腔筋機能療法(MFT)」
について

舌・口唇・頬・口輪をはじめとした口周りの筋力の強化、正しい舌位や口唇の状態の持続、正常な嚥下の習慣化を目的として、改善トレーニングを行ないます。改善トレーニングはお子さんの状態に合わせて一緒に行ないますが、自宅でも継続して行なっていただきます。ガムや風船などの玩具を使った、お子さんが楽しみながらできるトレーニングもあります。定期的な通院で、お口周りの機能の状態を確認していきます。パンフレットもありますので、お気軽にご相談ください。口腔機能発達不全症と診断された場合は、適切な改善トレーニングと指導を保険診療で受けることができます。

※症状によっては基本的な歯科治療や耳鼻科などへの紹介が必要になることもあります。
※トレーニングに合わせて矯正歯科の治療が必要になる場合があります。

あいうべ体操

「あ~い~う~べ~」と動かします

  • 【あ】
    【あ】

    「あー」と口を大きく開く

  • 【い】
    【い】

    「いー」と口を大きく横に広げる

  • 【う】
    【う】

    「うー」と口を強く前に突き出す

  • 【べ】
    【べ】

    「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす

あいうべ体操では、できるだけ大きく口を動かしましょう。声は出しても出さなくてもOKです!

1セットは4秒前後のゆっくりとした動きで行ないます。
1日2~3回行ない、合計で30セット(4秒×30=3分間)を目標にスタートしましょう!

お口周りの筋肉をつけることは、お子さんだけでなく幅広い世代での健康づくりに役立ちます。いつでもどこでもできるお口の体操を始めてみましょう!

痛みのある方はできる範囲で行ないましょう

あいうべ体操では口を大きく動かすことが大切ですが、顎関節症の方、顎や口を動かすときに痛みがある、むせてしまうといった場合には、負担をかけない「あ~い~う~べ~」の「い~う~」部分をくり返しても構いません。

無理はせず、できる範囲で体操を楽しみましょう。

ベロの練習

きれいにごはんを食べたり、話したりするためにはお口の機能を正しく身につける練習が必要です。そのもっとも基本である舌の動きをお家でも練習してみましょう。

舌の先とスティックで押し合う「ティップ」

スティックを口の前で持ち、舌の先をまっすぐにとがらせ、強く押すことで、舌先をとがらせるトレーニングになります。

舌の先をいつもつけておく位置を覚える「スポット」

舌先を「スポット」となる前歯の裏側につけ、出てきた唾液は舌先をスポットにつけたまま飲み込むことで、下の正しい位置を覚えます。

舌を上にもち上げる力を強くする「ポッピング」

舌先をスポットにあてた状態で、舌と上顎の間の空気を吸って抜き、舌全体が吸いつくことを鏡で確認します。
そのまま舌を離すと「ポン」と音が出ます。これにより、舌を上あごにつける感覚を覚えられます。

くちびるをなぞる「リップトレーサー」

口を開けて、舌の先でゆっくりと上くちびるをなぞることで、舌をうまくコントロールできるよう練習します。

リスク・副作用

口腔筋機能療法(MFT)にともなう一般的なリスク・副作用

・お口周りの筋肉を正常に機能させるためのトレーニングです。
・機能的・審美的に仕上げるための治療なので、自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・お子さんが治療に協力的でない場合、良好な治療結果を得られないことがあります。
・口腔筋機能療法(MFT)だけで、お口周りの問題をすべて解決できるわけではありません。
・口腔筋機能療法(MFT)を行なったからといって、将来矯正治療をせずに済むとは限りません。

日本口育協会口育士について

一般社団法人 日本口育協会」は、口育についての十分な知識のある歯科医師に対して、「口育士」の資格を与えています。
◦「口育士」資格取得の条件
・所定の試験に合格している。
など
詳しくは、「一般社団法人 日本口育協会」をご覧ください。