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ひろこ小児・矯正歯科ブログ

【 口育士のひとりごと】子供のはぎしりは大丈夫???

☆子供の歯ぎしりの原因☆

*噛み合わせ*
何らかの理由でズレが出てしまった噛み合わせを自己修復しようとして、
出ている歯をすり減らしたり、沈降させたり。
特に、歯が生え変わる時期の子供は、このことが原因で歯ぎしりが起きることがあり、
成長とともに症状が改善されるケースが多いのです。

*ストレス*
睡眠中だけに起こるということであれば、ストレスが原因となっている可能性があります。
精神的なストレスによって眠りが浅くなっていたり、悪夢を見たりすることで、歯ぎしりが起こると
言われています。子供が抱える悩みや不安は少なくありません。睡眠時の歯ぎしりが続くようなら、
子供のまわりの生活環境や交友関係などを経過観察する必要があります。

☆歯ぎしりによる影響☆
子供の歯ぎしりは、基本的には大きな問題となることはありません。
乳歯が抜けて永久歯が生えてくる頃に、無意識に歯の噛み合わせの調整のために行っていることが多いからです。しかし、なかには治療しなくてはいけないケースもあるので要注意です。

☆治療が必要なケース☆
*6歳を過ぎても歯ぎしりが続く
*歯の神経に影響が出る
*顎関節症になる
*歯の摩耗やぐらつきが出る

☆自宅でできること☆
*よく噛む習慣をつけさせる
*正しい姿勢をおしえる
*寝る時の向きを変える
*リラックスできる環境を作る
*自己暗示《リマインダー法(認知行動療法)》
★気になることがあれば、いつでもお尋ねください!!

★はぎしりの種類★
*グラインディング*
上下の歯を強く擦り合わせる、最も多い歯ぎしりです。歯の摩耗が激しいです。
*クレンチング*
上下の歯で強く噛みしめたままの、音の出ない歯ぎしりです。
昼夜関係なく行っているもので、音が出ないので周りからの指摘もなく、気付きにくいのが特徴です。
*タッピング*
上下の歯をぶつけ合って音を出すものです。カチカチと音を出すのが特徴です。

★新生児期の睡眠時間が歯ぎしりの発生率に影響(東北大学:2022.09.01) 《部分抜粋》
乳幼児期、特に新生児期の睡眠時間が短いと歯ぎしりの発生率が高くなる傾向があることを
発表しました。

*歯ぎしりを認めるこどもの割合(2歳:16.2% 4歳:22.5%)
*新生児期(生後1ヶ月)の睡眠時間が長いほど、歯ぎしりを認める子どもの割合は減少
*3歳時の睡眠時間ではそのような傾向は皆無であった
*日中と夜間の睡眠時間を比較すると夜間の睡眠時間が歯ぎしりの発生と相関している

(人数:約9万人*1ヶ月・6ヶ月・1歳・1歳半・3歳の睡眠時間と2歳・4歳の歯ぎしりとの関連を調査)

ただ、成長とともに関係は弱まってきます。
新生児期から生活や睡眠のリズムを整えることが重要です。
新生児期の睡眠時間の管理はとても難しいため、歯ぎしりの発生の心配より、可能な限り減らし、
歯を健全に守ることや口腔の筋肉やあごを正しく成長させることが重要だと考えます。

子供の歯ぎしりは成長するために必要なことでもあります。一緒に寝ていると心配だったり、
大人が気になって寝られなかったりするかもしれませんが、問題ない歯ぎしりであれば、
様子をみていきましょう。 今回は「歯ぎしりと睡眠時間の関連」も少し書いてみましたが、
先日の「栄養学の勉強会」でも「睡眠の話」がありました。「寝る子は育つ」と昔からいわれています。次回はいろんな視点からの「睡眠」をテーマにしてみようかと思っています。

ひろこ小児・矯正歯科 口育士 (日本離乳食・小児食育学会在籍)